車には、さまざまなタイプのトランスミッションがありますが、大きく分けて2種類のトランスミッションに分けられます。
それは、AT(オートマチックトランスミッション)とMT(マニュアルトランスミッション)です。
現在はATが主流となっており、国産車のほとんどがATを採用しています。
一方で、MTにも根強い人気があり、今でも多くの人がMT車に乗り続けています。
特にスポーツカーやトラックなど、走りの楽しさやパワーのコントロールを重視する車では、MTが今でも採用されています。
そのため、MT車に触れる機会はゼロではなく、操作のコツを知っておくといざというときに役立つ場面もあるでしょう。
そこで今回は、MT車を上手に運転するためのコツをご紹介します!
現在MT車に乗っている方はもちろん、これから乗る予定がある方もぜひ参考にしてください!
MT車の基本操作

自動車を運転するにあたって、まず理解すべきなのは基本操作です。
特にMT車はAT車に比べて操作が多く、覚えることが少し多いので、最初は慎重に練習することが大切です。
- STEP1クラッチを踏む
まず、左足でクラッチペダルを踏みます。これでギアが変えられる状態になります。
- STEP2ギアを1速に入れる
次に、シフトレバーを使ってギアを1速に入れます。これで発進の準備はOK!
- STEP3クラッチをゆっくり戻しながらアクセルを踏む
クラッチを少しずつ戻しながら、右足でアクセルを踏みます。
クラッチが繋がる寸前に軽くアクセルを煽ると、スムーズな発進ができます。 - STEP4クラッチを完全に戻す
車が動き出したら、クラッチを完全に戻します。その後はアクセルでスピード調整するだけです。
ここまで来れば、あとは普通の運転と同じ! - STEP5ギアを上げる
車がスムーズに走り出して、回転数が上がってきたら、シフトアップします。
もう一度クラッチペダルを踏み込み、発進時と同じようにギアを上げていきます。 - STEP6止まるときはクラッチを踏んで止まる
止まるときは、クラッチを踏んでギアをニュートラルに入れるだけ!
完全に停止する前にギアをニュートラルにして、ゆっくり停まろう。
以上の6ステップがMT車の発進までの基本操作です。
基本的には、この6ステップをしっかり覚えておけば、問題なく運転できますよ!
思ったより簡単ですよね!
ここまでで基本的な運転方法は理解できたと思います。
次は、さらに上手に運転するためのコツをお伝えします!
MT車の運転上達のコツ!
MT車の運転で難しいポイントが、スムーズな発進とスムーズなシフトチェンジ、そして坂道発進です。
MT車で普通に運転すること自体は、そこまで難しいものではありません。
ただ、スムーズに運転するとなると、少しコツが必要です。
クラッチが繋がり、車が動き出す時や、ギアチェンジ(変速)の際に、ガクンと衝撃を感じることがあります。
これをシフトショックと言いますが、このシフトショックをなくすことが、スムーズな運転に繋がります。
これらができるようになれば、さらに運転が上達し、同乗者も快適にドライブを楽しめるようになります。
それでは、それぞれのコツを見ていきましょう!
まずは半クラッチを知ろう!
半クラッチとは、クラッチペダルを踏み込んだ状態から戻していく時に、クラッチが繋がり始める瞬間のことを指します。
この半クラッチのポイントを理解することで、運転が一気に上達しますよ!
練習方法としては、平坦な場所で停止した状態で、クラッチペダルをゆっくりと戻していきます。
ゆっくり戻していくと、車が動き出すポイントがあると思います。
ここが半クラッチですので、このポイントをしっかり覚えましょう!
慣れてきたら、半クラッチまで一気にクラッチペダルを戻し、半クラッチの寸前でゆっくりクラッチをつなぐことを意識すると、よりスムーズな運転ができるようになりますよ!
スムーズな発進のコツ

MT車で、普通に発進するだけならそこまで難しいものではありません。
ただ、スムーズに発進するためには、少しコツが必要です。
それは、アクセルの踏み加減です。
クラッチを繋げるタイミングで、アクセルを少しずつ踏み込むことが大切です。
急にアクセルを踏み込んでしまうと、車がガクンと加速してしまい、スムーズな発進にはなりません。
逆に、アクセルを踏むのが遅すぎると、エンジンが十分な力を発揮できず、発進がもたついてしまうことや、エンストしてしまいます。
そのため、クラッチが繋がり始めるタイミングに合わせて、アクセルをゆっくり踏み込んでいくのがポイントです!
この時のアクセルの踏み加減ですが、1500〜2000回転ほどでOKです!
ただし、これはあくまでも平坦な道や緩やかな坂道での目安です。
坂道発進の場合や、車が重い場合は、少し回転数を上げる必要がありますので、その点も注意しましょう。
スムーズなシフトチェンジのコツ
スムーズな発進のコツとスムーズなシフトチェンジのコツは似ているように思えますが、実はコツが違います。
スムーズな発進のコツは、半クラッチとアクセル加減が大切でした。
一方、スムーズなシフトチェンジのコツは、半クラッチとシフトチェンジのタイミングがカギなんです。
半クラッチの感覚を理解することは、発進のときと同じように大切です。
シフトチェンジの際も、アクセルの踏み加減は重要ですが、発進のときほどシビアではなく、ある程度アバウトでも問題ありません。
ただし、シフトチェンジのタイミングはとても重要です。
具体的には、エンジンの回転数が合っていないままギアを上げると、シフトショックが起こるだけでなく、クラッチやミッションにダメージを与えてしまう可能性もあります。
シフトアップの目安は車種によって多少異なりますが、基本的には2000〜3000回転あたりで行うのが理想です。
街中での走行や平坦な道なら、2000回転前後で十分対応できます。
ただし、坂道や加速が必要な場面では、もう少し引っ張ってからシフトアップした方がスムーズに走れることもあります。
その時々の道路状況や走行シーンに応じて判断することが大切です!
もう怖くない!坂道発進のコツ

教習所でも難所として知られる坂道発進ですが、コツさえ掴めば、もはや怖いものなしです!
坂道発進ができるようになれば、MT車乗りとして一人前と言っても過言ではありません!
坂道発進のコツは、半クラッチを使いながら、アクセルを適度に踏んで回転数を上げることです。
半クラッチの感覚を理解する点は、スムーズな発進やシフトチェンジと共通していますが、坂道発進ではアクセルの踏み加減が特に重要になります。
平坦な道よりも、アクセルを少し強めに踏んで、回転数を高く保つことがポイントです。
より急な坂道や、自信がない場合には、サイドブレーキを使う方法もあります。
まず、サイドブレーキをしっかり引き、アクセルを踏んで回転数を上げます。
その状態で、半クラッチまでクラッチペダルを戻し、サイドブレーキをゆっくり下げます。
こうすることで、後ろに下がることなく、スムーズに発進できます。
慣れてくると、よほど急な坂道でない限り、サイドブレーキを使わなくてもスムーズに発進できるようになります!
大事なのは、回転数を意識して練習することです。
焦らず、繰り返し練習していけば、自然にできるようになりますよ!
さらに上達するテクニック!
これまでMT車の基本操作や、難しいとされるポイントについて見てきました。
次は、さらに運転技術を向上させるためのテクニックを紹介していきます。
エンジンブレーキ
車を運転する際、減速方法には主にフットブレーキとエンジンブレーキがあります。
エンジンブレーキを適切に使用しないと、車の制御が効かず、危険な状況を招く可能性があります。
そのため、エンジンブレーキを上手に使うことが、より安全な運転に繋がります。
さらに、エンジンブレーキは事故防止だけでなく、燃費の改善にもつながる嬉しいメリットがあります!
エンジンブレーキは、走行中にアクセルペダルから足を離し、アクセルをオフにすることで効き始めます。
エンジンの回転数が高いほど効きが強くなるため、意図的に回転数を上げてエンジンブレーキの効きを強めることもできます。
次に紹介するブリッピングというテクニックを使用すれば、スムーズにシフトダウンができて、エンジンブレーキの効き具合も自分の感覚でコントロールできるようになります!
また、エンジンブレーキについてもっと詳しく解説している記事もありますので、ぜひあわせて読んでください!
ブリッピングシフトダウン

MT車の運転で、シフトアップなどの基本操作をマスターしたら、次はシフトダウンです!
シフトダウンは、曲がり角や交差点を通過する際などに頻繁に使います。
ただし、普通にギアを下げるだけではショックが出てしまうことがあります。
そんなときに活躍するのが、ブリッピングです。
ブリッピングは、エンジンの回転数をスムーズに合わせるために行うテクニックです。
シフトダウンをする際に、ギアを下げることでエンジン回転数が急激に上がってしまうことがあります。
そこで、アクセルを軽く踏んでエンジン回転数を上げ、ギアを下げたときに回転数がスムーズに合うように調整するのが、ブリッピングです。
コツは、シフトレバーをギアが入る寸前で軽く当てがっておくことです。
その状態でアクセルを踏んで回転数を上げると、回転数が合ったタイミングで、シフトレバーがスムーズにギアに入るようになります。
あとは、クラッチを丁寧に繋げればシフトダウンの完了!
ダブルクラッチ
ダブルクラッチとは、ギアチェンジの際にクラッチペダルを2回踏むテクニックです。
この2回踏むことによって、エンジンとミッションの回転数を合わせ、スムーズなギアチェンジを実現できます。
やり方としては、まずクラッチを踏んでシフトをN(ニュートラル)に入れます。
その後、クラッチを一度離し、アクセルを軽く踏んでエンジン回転数を上げます。
そして、再度クラッチを踏み、ギアを適切にシフトダウンします。
この一連の動作が「ダブルクラッチ」と呼ばれます。
基本的にダブルクラッチは、年式の古い車で使用することが推奨されています。
現在生産されている比較的新しいMT車には、シンクロメッシュ機構が搭載されているため、基本的にはダブルクラッチを使用しなくてもスムーズにシフトチェンジが可能です。
ただし、一概に今の車でもダブルクラッチをしなくても良いわけではありません。
走行状況や車のコンディションによっては、ダブルクラッチを使用することで、ミッションへの負担を軽減し、より優しい運転ができるのです。
MT車の運転の技術を身につけて、快適なドライブをしよう!
MT車の基本操作から難しいポイント、上級テクニックまで解説してきました。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば意外と簡単に運転できるようになります。運転する楽しさを実感しながら、どんどん上達できるので安心してください!
MT車の魅力は、何と言っても車そのものを操る楽しさです。
ギアを手動でシフトし、クラッチを踏むその一連の動作が、ドライブをよりダイナミックで充実したものに変えてくれます。AT車では味わえない一体感を感じながら、運転することができます。
さらに、MT車には安全面でもメリットがあります。
クラッチ操作を通じてアクセルとブレーキの踏み間違いが起こりにくく、特に初心者でも安心して運転できます。また、荷物を積んだトラックなどでは、エンジンの回転数を調整しながら力強く走行できるため、重い荷物を運ぶ際にも頼りになります。
上達のコツは、実際に運転することです。
運転を重ねることで、自然と慣れが生まれますので、どんどんドライブしてみましょう!
それでは良いカーライフを!
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